大阪大学大学院工学研究科・准教授の高橋幸生氏と理化学研究所・放射光科学総合研究センター・センター長の石川哲也氏らの研究グループは,これまで不可能だった厚い試料に対する高分解能でX線イメージングが可能であることを実証した。
今回研究グループは,被写体を入射X線に垂直な薄い層の積み重ねとし,層間でのX線波面の変化を考慮するマルチスライスアプローチを取り入れた,X線タイコグラフィーを実証。大型放射光施設「SPring-8」において,105μmの厚さの試料を観察したところ,投影近似による限界の192nmを遥かに超える約50nmの分解能を達成した。
実証したマルチスライスX線タイコグラフィーを用いることで,厚い試料に埋もれたナノ構造物や組織の観察が可能となることから,例えば,三次元集積回路の微細配線や生体の骨組織の非破壊・高分解能・三次元観察への応用展開が期待できる。
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