東大、脳腫瘍である神経膠腫の悪性化・再発時に起きるゲノム変化を解明

東京大学医学部附属病院教授の斉藤延人氏-らは、米国カリフォルニア大学サンフランシスコ校のグループなどと共同で、低悪性度の神経膠腫(グリオーマ)が診療経過中に悪性に転化し再発する過程に生じる遺伝子変異を、全遺伝子解析を行なって詳細に解析した。

これにより、再発に際しては新たな遺伝子変異が出現し、なかでも抗がん剤の一種であるアルキル化剤による治療が解析した23症例中10例で行なわれていたが、その症例の半数程度で特定の塩基変異(シトシン/グアニンがチミン/アデニンに置換する変異)が高頻度に生じることを観察した。

この成果は、特に低悪性度の腫瘍に対しての抗がん剤治療法の最適化について、検討を促す契機となるもの。なお、この研究は次世代がん研究シーズ戦略的育成プログラムの一環として行なわれたものであり、また、医学研究における国際共同研究である。

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