科学技術振興機構(JST)課題達成型基礎研究の一環として、自然科学研究機構分子科学研究所教授の大森賢治氏らは、固体の中の原子が高速で2次元運動する様子を、10兆分の1秒単位で制御し画像化する新しい光技術を開発した。
「あらゆる物体の2次元運動は互いに垂直な2つの1次元運動に分解できる」というシンプルで普遍的な原理に着目し、この原理を固体中の原子運動に適用。互いに垂直な2つの方向の原子運動を10兆分の1秒だけ光る特殊な赤外レーザパルスでそれぞれ独立に制御することによって2次元運動を制御し、固体表面からの光反射を測定する簡便な方法を用いて、この2次元運動を10兆分の1秒単位で画像化することに成功した。
この成果は、将来の超高速光デバイスの開発につながる基盤技術として期待されるほか、超伝導性や磁性など固体の物理的な性質の起源を探求するための基礎技術としても役立つと期待される。
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