産業技術総合研究所生産計測技術研究センター計測基盤技術チーム主任研究員の恒松絹江氏らは、幅広い分野で使用されているペーパーハニカム構造体の表面を多孔質シリカで被膜し、強度、耐水性、難燃性などを向上させる技術を開発した。
一般的なペーパーハニカム基材(左)と多孔質シリカで被膜した基材(右)の断面
ペーパーハニカム構造体は、耐水性や難燃性が弱点であり、それらを向上させるためには樹脂や無機物を多量に混合したり、高温処理したりするが、そのために処理工程の煩雑さやコスト高などの問題が生じている。
今回開発した技術では、ペーパーハニカム基材にケイ酸アルカリ金属塩を塗布し、炭酸化することで多孔質シリカ被膜を形成する。これによって、耐水性や難燃性を持つペーパーハニカムが低コストで製造できる。多孔質シリカで被膜されたペーパーハニカム基材は、強度にも優れ、多孔質シリカ被膜の比表面積を制御することにより、調湿機能を持たせることもできる。また、バイオプロセスや水処理などのさまざまな工程での前処理や分離など、幅広い用途が期待される。
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