岡山大学病院光学医療診療部講師の河原祥朗氏、徳島大学消化器内科講師の六車直樹氏らの共同研究グループは、大腸癌の内視鏡治療用に河原氏らが開発した「ムコゼクトーム 2SB」という機器(デバイス)の有用性を検討し、従来のデバイスに比べ処置時間の短縮、偶発症(合併症)の軽減につながるという結果を得た。
河原講師らの研究グループは以前、安全かつ短時間に胃のESD を施行するためのデバイスとしてムコゼクトームを開発し臨床応用してきた。その特徴は、安全に癌の粘膜下層の組織を剥離するために絶縁領域を増やし、流れると合併症をおこす胃の外側向きの電流をカットし内側向きにのみ流れるような設計になっている点である。
この技術をさらに発展・応用させ、大腸癌のESD 用に新たに開発したムコゼクトーム2SB
を今回、徳島大学を中心として従来のデバイスと比較検討したところ、従来のデバイスに比べ
処置時間は半分以下となり、偶発症(合併症)につながる危険因子を減らすことが可能である
ことがわかった。この新しいデバイスを用いることで、大腸のESDがより安全かつ迅速に施行することが可能であることが明らかとなり、今後この治療法のさらなる普及、発展が期待できる。
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