理研ほか、中性子星の最大質量とクォーク質量の関係を解明

理化学研究所、日本大学、京都大学、筑波大学は、スーパーコンピュータを用いた大規模数値シミュレーションと多粒子系の量子論である量子多体理論を用いて、中性子星の内部構造を表す「状態方程式」を初めて理論的に導き出した。

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研究チームは、これまで蓄積してきた素粒子「クォーク」同士に働く強い力の数値データを大規模数値シミュレーションで統合し、陽子や中性子(総称して核子)の間に働く核力を求めた。その計算結果と核子の集合体を扱う量子多体理論である「ブルックナー理論」を用いて、超高密度物質の状態方程式を導き出した。さらに、この状態方程式と一般相対性理論を用いて、中性子星の質量と半径の関係や、強い重力場でブラックホールになる寸前の中性子星の性質とクォーク質量の関係を明らかにすることに成功した。

今回の成果により、クォークを支配する量子色力学から出発して中性子星の謎を解明する理論的道筋がついただけでなく、X線、電波、重力波などによる中性子星の今後の観測データと合わせて、超高密度における物質の究極構造の解明が期待できる。

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