キヤノンは,2013年3月に開発発表した動画撮影専用の35mmフルサイズ高感度CMOSセンサーを使用し,ヤエヤマヒメボタルの撮影に成功した。これは同社の一眼レフカメラのセンサ技術を集約し,さらに画素部および読み出し回路にノイズ低減のための新技術を搭載することにより,高感度・低ノイズでの動画撮影を可能にしたもの。
同社は今回,ZERO CORPORATIONの協力のもと,このCMOSセンサを搭載したカメラの試作機を用いて,石垣島に生息するヤエヤマヒメボタルの撮影に成功した。撮影は,人工的な照明の一切ない日没後の山の中で行われた。肉眼での認識は困難と言われる0.01lux以下(三日月時の明るさは0.03lux程度)の非常に低照度な環境でこのCMOSセンサを用いて撮影を行なうことで,体長数ミリ程度のヤエヤマヒメボタルの発する光の色や動きのほか,周囲の木々など,ホタルの生息環境まで撮影することができた。これらの動画は今後,ヤエヤマヒメボタルの研究などに利用される予定。
撮影した動画はこちら。