北大ほか、鉄のウロコをまとう深海の巻貝・スケーリーフット共生微生物の全ゲノム解析を達成

北海道大学,海洋研究開発機構,新江ノ島水族館,東京大学による共同研究チームは,鉄の鱗を持つユニークな巻貝・スケーリーフットの共生微生物について,全ゲノム配列の解読に成功し,代謝経路を網羅的に同定するとともに,共生微生物の伝播様式を突き止めた。さらに,スケーリーフットが敏感に環境感知・応答することを捉えた。

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スケーリーフットの命綱ともいえる共生微生物の完全なゲノム配列(2,597,759 塩基対)を解読した。これまで,様々な共生微生物がゲノム解析されているが,この研究は巻貝の共生微生物の全ゲノム配列を決定した世界初の成果であり,スケーリーフットの生命維持
に不可欠な代謝経路(例えば,二酸化炭素から栄養分を作り出すための代謝経路)を数多く解明することに成功した。

スケーリーフットは世代毎に決まった共生微生物を,環境中に無数にいる微生物の中から厳選して獲得していることが分かった。この成果は,スケーリーフットと共生微生物が深海底熱水活動域で生存するために発達させてきた生存戦略を世界で初めて遺伝子レベルで明らかにしたもの。この研究を足がかりとして,まだ謎の多いスケーリーフットの研究が飛躍的に進むことが期待される。

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