富士通研究所,人工抗体技術をスピンオフ

富士通研究所は,長年研究開発を行ってきた人工抗体技術を社外へ切り出し,外部リソースを活用して事業の推進を行なうことを決定した。今後は,これまで大学や公的機関の研究者,企業技術者と組んでベンチャービジネスを立ち上げてきた英Anglo Scientific Ltd.が設立した新会社Apta Biosciences Ltd.が人工抗体技術の研究開発を進め,診断や治療への適用を通じて本技術の事業化を進める。また富士通は,2010年に設立したコーポレート・ベンチャー・キャピタル・ファンドより出資を行なう。

人工抗体とは,抗体の性質に似せて作った人工の化学物質。富士通と富士通研究所は人工抗体として修飾型DNAアプタマーを発案し,新エネルギー・産業技術総合開発機構の助成のもと基盤技術を確立し,名古屋大学予防早期医療創成センターとの産学連携により技術検証を行なってきた。修飾型DNAアプタマー技術は,これまで開発が困難であったがんや感染症の診断に用いる検査薬の開発を可能にし,画期的な新規診断技術となることや,治療分野への応用が期待されている。

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