理研ほか、新しいコンピューター「知的ナノ構造体」の構築が可能と発表

理化学研究所、情報通信研究機構と東京大学は、単細胞生物「粘菌」の行動原理に基づき、ナノサイズの量子ドット間の近接場光エネルギーの移動を用いて、高効率に意思決定をする全く新しい概念のコンピューター「知的ナノ構造体」が構築できることを、実際のデバイス構成を想定したシミュレーションにより実証した。

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理研揺律機能研究チームでは、粘菌を用いて、多数の組合せ選択肢から的確な答えを求める研究を行なってきたが、粘菌の行動観察の結果を使って多本腕バンディット問題を正確にかつ高速で解決できるアルゴリズムを開発した。このアルゴリズムは、粘菌の行動原理に類似した動的特性を多様な物理プロセスに置き替えることでデバイスに応用可能。

開発したアルゴリズムは、研究グループが粘菌の行動原理と量子ドット間の近接場光を介したエネルギー移動プロセスに類似性があることを見出し、実際のデバイスに応用可能な近接場光を利用したもの。そして、このアルゴリズムが多本腕バンディット問題の正解を探索できること、さらに、同問題の解法の中で、最速とされていたアルゴリズム「Softmax法」よりも、速く正確な意思決定が実現できることを、シミュレーションにより実証した。

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