東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻特任研究員のテレサ ロメロ氏、同研究科博士課程・日本学術振興会特別研究員(現:京都大学野生動物研究センター・日本学術振興会特別研究員PD)の今野晃嗣氏らの研究グループは、人がイヌに向かってあくびの動作を演じて見せるという実験を行なった結果、見知らぬ人のあくびよりも飼い主のあくびの方がイヌに伝染しやすいことを明らかにした。
さらに、実験中のイヌの心拍を計測することにより、飼い主のあくびを見た場合と見知らぬ人のあくびを見た場合とでイヌの不安やストレス反応に差がないことを明らかにした。
この成果は、イヌとヒトの間でもあくびがうつることを証明しただけでなく、その現象が生じるためにはイヌと飼い主の感情的な結びつきが重要であることを示唆している。今後、人からイヌへのあくびの伝染しやすさについて犬種差や個体差を明らかにすることで、人間社会で活躍する作業犬としての適性を判断できるようになることが期待される。
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