九州大学大学院理学研究院主幹教授の川畑俊一郎氏と高等教育院助教の柴田俊生氏の研究グループは、キイロショウジョウバエを用いて、タンパク質同士を糊付けする酵素「トランスグルタミナーゼ」が、共生細菌の抗原に対して免疫応答する特定の情報伝達因子を糊付けして機能抑制することで、免疫寛容となっていることを明らかにした。
キイロショウジョウバエをモデル動物として、トランスグルタミナーゼの機能を阻害したところ、1 ヶ月内でほとんどが死んでしまうことが判明した。詳細な解析の結果、トランスグルタミナーゼは、共生細菌の抗原に免疫応答する情報伝達因子を糊付けして不活性化することにより、宿主の免疫寛容性を誘導していた。
「トランスグルタミナーゼが腸管免疫を調節している」という新しい概念が、哺乳類の腸管免疫研究においても新たな研究の引き金になることが期待される。
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