産総研、電気絶縁性とシール性に優れた産業用ガスケットを開発

産業技術総合研究所コンパクト化学システム研究センター首席研究員の蛯名武雄氏らの研究グループと、ジャパンマテックス、住友精化は、粘土とポリイミドからなるコンポジット膜と膨張黒鉛シートを交互に積層させた産業用シートガスケットを開発した。このガスケットは極低温から高温までシール性能に優れ、電気絶縁性であるため、フランジが腐食しにくい。

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今回開発したガスケットでは、コンポジット膜が膨張黒鉛シートの細かい隙間に入り込んで一体化した構造とすることにより、金属を使わずにシール性を著しく向上できた。極低温(-196 ℃)におけるシール性は、従来最もシール性に優れているステンレス膨張黒鉛多積層構造ガスケットを上回り、シートガスケットとしては世界最高レベルである。

今回、多積層シートガスケットの製造方法を確立し、室内リークテストにより、高いシール性能を確認したが、さらに実プラントの高温蒸気配管に使用して性能評価を行ない、高いシール性と耐久性を確認した。地熱発電所、車両用ガスケットをはじめ、石油精製、石油化学、電力、製鉄、製紙プラントなど多くの産業分野で、幅広い温度条件下の配管部分のシール材としての使用が期待される。

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