京大など、若年性骨髄単球性白血病の新規原因遺伝子を発見

京都大学 医学研究科教授(2013年3月まで東京大学医学部附属病院がんゲノミクスプロジェクト特任准教授)の小川誠司氏、名古屋大学医学系研究科教授の小島勢二氏、助教の村松秀城氏、東京大学医科学研究所附属ヒトゲノム解析センター教授の宮野悟氏らの共同研究チームは、小児にみられる白血病の一種である若年性骨髄単球性白血病の新規原因遺伝子を発見した。

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共同研究チームは、次世代遺伝子解析装置を用い、92例の若年性骨髄単球性白血病に対して網羅的遺伝子解析を行ない、本症にみられる遺伝子異常の全体像を解明した。その結果、新たな原因遺伝子としてSETBP1およびJAK3遺伝子変異を新たに発見した。

これまでに若年性骨髄単球性白血病で変異があることが知られていた、がんの発症に関与するRAS経路の遺伝子変異と、今回発見した二つの遺伝子の変異割合を比較。その結果、SETBP1とJAK3遺伝子変異は、若年性骨髄単球性白血病の発症に関わる主要な遺伝子とは別の遺伝子要因、いわゆるセカンドヒットとして腫瘍の進展に関与していることが示唆され、実際にこれらの遺伝子変異をもつ患者さんは治る確率が低いことがわかった。

今回の研究成果は、本症の診断法の確立と治療法の選択に役に立つほか、新規薬剤の開発につながることが期待できる。

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