東北大,地球から自転に同期して放射される電波を発見

東北大学は,日本が打ち上げたジオテイル(Geotail)衛星の長期にわたるデータの詳細な解析から,連続した電波が地球の極地方から宇宙空間にむかって放射されていることを発見した。しかも,その電波は地球の自転とともに旋律(周波数)が変化する特徴を持つことがわかった。この結果は,惑星である地球は電波灯台のように光り続ける電波星であることを示すもの。

この電波を,波長がキロメータ級であることから連続性地球キロメータ電波と名付けた。この電波は,地球の一自転に同期して周波数が200 kHzから600 kHzまで,ある規則に従って変化する。これは,地球が丁度24時間周期で電波で宇宙にむかってハミングしていると言うことが出来る。さらに,このハミング電波の周波数の変化の規則が,春分と秋分を挟んで全く反転するという不思議な現象も明らかになった。

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地球キロメータ電波の一日の変化。冬(上図)と夏(下図)で、周波数変化の様子が反転している。

これいついて同大は,自転に伴って歳差運動をする地球の磁場と太陽から吹いてくる風(太陽風)との相互作用が生み出す効果が関与していることが強く示唆されることから,仮説を立てており,今後この仮説を実証する研究が必要となる。

この仮説が正しいとすると,地球で見つけられたこの現象は,磁場を持つ天体に共通すると考えられ,今後の惑星の磁場やプラズマ,電波放射の研究に役たつことが期待される。

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