JSTと東大,立体細胞組織構築の材料となる細胞ファイバを開発

科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業ERATO「竹内バイオ融合プロジェクト」リーダーで,東京大学生産技術研究所准教授の竹内昌治氏と,同助教でプロセス融合グループグループリーダーの尾上弘晃氏らは,マイクロスケールのファイバ形状(ひも状)の細胞組織を人工的に構築する方法を開発した。

肝臓や膵臓のように多様な細胞が複雑な構造を形成している臓器を人工的に構築することは難しい。このような機能を果たす人工組織を構築するためには,細胞を生きた状態のまま数10~数100㎛の精度で配置して,センチメートルサイズの大きさまで集積することが求められていた。

今回研究グループは,様々な種類の細胞を直径およそ100㎛,長さ数mのファイバ状の組織に成形する方法と,そのファイバ形状の細胞組織をあたかも「ひも」のように扱い,3次元的に織ったり巻いたり束ねたりして組み上げることで,細胞の機能を維持した状態でセンチメートルサイズの3次元的な細胞組織を構築する方法を開発した。

これを実際に膵島細胞のファイバを糖尿病疾患モデルマウスに移植することで,マウスの血糖値を正常化させることに成功し,ファイバ状の細胞組織は体内でも機能を発揮し,実際の移植にも応用できる可能性を示した。

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