生田精密研磨は,さとう技研とモディアシステムズと共同で,中小企業にも導入しやすい価格帯に抑えた非球面レンズNC切削加工システムを開発し,販売を開始すると発表した。同社ではさらにこのシステムを用いた住宅加工サービスもスタートさせる。
従来の非球面レンズNC加工機は大型なものが主流で,価格も高額であったとし,さらに非球面レンズ加工には専門の知識が必要など,導入に向けては必ずしもそのハードルが低いものではなかったという。生田精密研磨などはこれを解消するため,⑴加工機の価格を概ね1,000万円以下に抑えること,⑵高度な専門知識がなくても装置の運用を可能にすることといったアプローチで開発を進めてきた。
⑴については,モディアシステムズの小型5軸NC切削加工機を,レンズ(ガラス切削)用にカスタマイズすることで価格の低減を実現。⑵に関しては,生田精密研磨が2017年10月に開発した非球面レンズNCデータ作成支援プログラムを加工機とセットで使用することで達成した。
これに関して具体的には,ユーザーから提示された図面をそのままNCプログラムにすることを可能にしたので,加工システム導入後は,非球面レンズの高度な専門知識がないメーカーでも非球面レンズの切削加工が可能になるとしている。
3社は,今回開発した加工機を用いた受託加工も開始するが,特に少量試作の案件では試作日数の大幅な短縮化が可能になるとし,ユーザーにおいて非球面レンズ製作検討のすそ野が広がるものと期待している。同社によれば,受託加工については,年4,000万円程度の受注を目指すとし,また加工機は初年度10セットの販売を目指すとしている。◇
(月刊OPTRONICS 2018年3月号掲載)