光技術展示会「OPIE’17」(会場:パシフィコ横浜 会期:4月19日~21日)は会期2日目を迎えました。朝にはみなとみらい線が事故で止まるというハプニングはありましたが,復旧後は順調に来場者も増え,昨日以上に会場は多くの人で賑わいました。本日も編集部が気になったブースを紹介します(初日の様子はこちら)。
■浜松ホトニクス(ブースNo.M-9)「大パワー対応 LCOS-SLM」
レーザー加工に適した反射型の液晶素子の新製品を展示しています。水冷による精密な熱制御により,100Wクラスの大パワーレーザーを入れても安定した動作が可能です。素子数は792×600,動作速度は波長にもよりますが,デモを行なっている532nmの緑色レーザーで50Hz。走査ではなくパターンによる多点同時加工も可能なので,生産効率が大きく上がるとしているほか,さらに大きなパワーに対応する製品も開発中だそうです。
■コジマエンジニアリング(ブースNo.K-2)「レンズ製造装置」
カメラや望遠鏡に使う大型のレンズから,顕微鏡用などの小型レンズまで高精度でレンズを製造する装置を,ずらりとデモを行なっています。材料や加工方法も多様になってきているレンズにおいて,間口を広く設けた展示がコンセプトだそうです。同社の装置は加工精度が高いと共に,数値化によってこれまで職人さんの勘や経験によっていたレンズ研磨を,完全に機械化することに成功しています。ハイエンドなモノづくりに貢献する同社の装置は「設備投資ではなく『技術投資』と考えて欲しい」と営業担当者が言うように,その性能に大きな自信を見せています。
■キヤノンマーケティングジャパン(ブースNo.D-24)「1億2000万画素APS-Hセンサー」
出ました。APS-Hサイズながら1億2000万画素という,途方もない解像度を持つお化けCMOSセンサーがデモを行なっています。こんなのが9.4fpsで10bitデータを吐き出すというのですから,その扱いを考えただけで頭が痛くなってくるのですが,例えば液晶パネルの画素欠陥検査や,拡大に有利なことから大型構造物の外観検査などで引き合いがあるそうです。さらに,こちらデモはありませんが,フルサイズ200万画素の超低照度撮影用センサーも展示。共に製品だというから驚きです。開発品ですが,グローバルシャッターのセンサーもデモを行なっています。
■JXTGエネルギー(ブースNo.J-35)「ナノインプリント応用技術」
同社のナノインプリント技術は素材に無機材料を使えるというのがユニークなところです。今回は,このナノインプリント技術の応用例を展示し,そのニーズを探っています。例えばディスプレーの表面フィルムとして提案する無反射構造は,無機材料で作成することで,従来の有機材料のものよりも擦りや傷に強くなるそうです。また,有機ELパネル用の構造複屈折型位相差フィルムは,高価な樹脂材料を用いらずとも,外光がデバイス内で反射して再び外に出てこないようにできるので,パネルの色味を損ないません。他にも,曇り止め構造や高耐熱位相差板などの提案をしています。貴社のニーズにも応用できないか,相談しては如何でしょうか。
「OPIE’17」の会期はいよいよ明日までです。心配だった天気もなんとか持ちこたえてくれそうです。皆さん,お早めに会場にお越しください。