カネカ,実用サイズのセルで変換効率25.1%

NEDOプロジェクトの成果をもとに,カネカは両面電極型ヘテロ接合結晶シリコン太陽電池として世界最高となるセル変換効率25.1%を,実用サイズである5インチのセルサイズ(152cm2)で達成した(ニュースリリース)。

太陽光発電の発電コストは,他の電源に比べ依然高いことから,発電コストの低減が重要な課題となっている。変換効率の向上は,太陽光発電における発電コストの低減に大きく寄与するため,世界中の企業,研究機関が取り組んでいる。

今回,NEDOの「太陽光発電システム次世代高性能技術の開発」プロジェクトの成果をもとに,カネカは,両面電極型ヘテロ接合結晶シリコン太陽電池として世界最高となるセル変換効率25.1%を,実用サイズである5インチのセルサイズ(152cm2)で達成した。また,更に大型の6インチのセルサイズ(239cm2)でも24.5%を達成している(2015年7月)。

今回の成果は,カネカが開発した高品質のアモルファスシリコンを用いた結晶シリコン基板の表面欠陥低減技術や,銅メッキ法による電極形成技術等を活用することにより達成したもの。

現在導入されている太陽電池の約8割を占めている結晶シリコン太陽電池は,両面電極型構造が主流となっており,その実用サイズセルにおいて高い変換効率が達成できたことは,高効率結晶シリコン太陽電池の実用化に大きく寄与するものだとしている。

カネカは,このプロジェクトで得られた開発成果を一部活用しパイロット生産設備を構築するともに,銅電極ヘテロ接合結晶シリコン太陽電池の今年度中の販売を計画している。

また,NEDOが2015年度から開始した「高性能・高信頼性太陽光発電の発電コスト低減技術開発」プロジェクトにおいてカネカは,今回得られた成果をもとに発電コスト目標2020年14円/kWhの達成と2030年7円/kWhの実現を目指し開発を行なっていく。

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