横浜ゴムは,液晶ディスプレイのバックライトに使用されるLED光源から発せられるブルーライトをカット(減衰)しながら,無色・透明で液晶ディスプレイの本来の色彩を損なうことなく再現できるフィルム「YF-Rシリーズ」を開発した(ニュースリリース)。
無色・透明のフィルムでブルーライトの波長域全体を効果的にカットできる技術は世界初とする。目にやさしく,自然な色合いを再現しやすいため,タブレット端末やPC,スマートフォン向けに採用促進を図っていく計画。
ブルーライトは紫から青色に見える短い波長(380~495nm)の可視光線で,目の網膜に達する割合が多いことから,疲れ目,ドライアイ,網膜の機能低下や体内時計の狂いなどへの影響が指摘されている。
一般的にブルーライトカット機能を持つフィルム製品の多くは,黄色味を帯びたり透過率を抑えたりすることでブルーライトをカットしており,色彩の再現性が失われるほか,波長域によって性能のばらつきなどがあった。
「YF-Rシリーズ」は,青色光を反射させる技術や,市場で一般的に用いられているフィルムの透過率を抑制する技術とは異なる技法でブルーライトをカットできるのが特徴。
短波長域はもちろん,LED光源でのピーク波長となる450nm付近でも効果的にカットすることに成功し,ブルーライト波長域全体で安定したカット性能を発揮できるようにした。ブルーライトカット率は約30%,フィルム全体での全光線透過率は約90%を確保したほか,黄色味を表すb*(ビースター)値を1以下(肉眼で確認できないレベル)まで抑え,透き通った無色・透明のフィルムに仕上げた。