NTTは，最新の映像符号化に関する国際標準規格「H.265/HEVC」 Main/Main10 Profileに準拠した，世界最高レベルの動画圧縮性能を持つ圧縮ソフトウェア（エンコードエンジン）を開発した。この技術は，NTTアドバンステクノロジが「RealFeel」シリーズのHEVCソフトウェアコーデック開発キット「HEVC-1000 SDK」として，8月8日より，国内外にて販売を開始する。
現在，動画のデータ量の圧縮する場合，従来の動画圧縮規格「H.264/AVC」と比較すると「H.265/HEVC」は2倍の性能があると言われているが，NTTは独自に開発した技術により，最大で約2．5倍の世界最高レベルの圧縮性能を実現した。これにより，同等画質であれば従来よりも，動画のデータ量を最大で60%削減（H.264比）することが可能。
新たに開発した技術では，人間の目では歪が気づきにくい領域（例えば，水しぶきや森などの複雑なパターンの領域）でデータ量を削減し，高い画質を維持しながら圧縮率を向上させる「局所QP変動処理」 と呼ばれる独自の圧縮技術や，統計情報から発生符号量を予測しつつ各フレームのピクチャタイプ毎に適切なデータ量の割り当てを行なう符号化制御技術，画面内の類似性や位置関係といった相関を利用することで，画質を維持しながら高速選択を可能とする独自の選択技術（ブロックサイズ選択およびモード選択技術）が用いられている。
この技術によって，モバイルなどで急増している“動画トラフィック”の増加を抑制し，通信事業者の設備投資コストを抑えることが可能となるほか，従来と同じネットワーク帯域でも，より高精細な映像コンテンツの閲覧が可能となり，LTEでの高画質映像の配信やIPTV等での4K映像配信の発展が期待できる。
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