ソーラーフロンティアは,ガラス基板構造のCIS薄膜太陽電池モジュールとしては最軽量・最薄のモジュール「Solacis neo」と,同社製品ラインナップの中で過去最高を出力するモジュール「SF170-S」の2製品を発表した。
新製品はいずれも国内住宅市場向けに発売する。このうち,Solacis neoは厚さ2mm(従来3.2mm)のカバーガラスと薄型基板を採用し,全体の厚みを約6.5mmとスマートフォン並みの薄型化を実現。これにより,モジュールの重量を従来比40%減の約8.0kgと軽量化した。同社・代表取締役社長の玉井裕人氏は「最薄・最軽量を達成したことで,屋根に設置する際の負担が軽減される」としている。
このモジュールは12.7%の変換効率で100Wを出力する。2013年10月から宮崎第2工場で生産を開始し,11月からの出荷を予定している。 一方,SF170-Sは170Wの高出力タイプで,変換効率が13.8%となっている。生産は国富工場で行ない,この7月から出荷を開始している。モジュールの高性能化に向け,その研究・開発は厚木リサーチセンターで進められているが,次の段階では変換効率17.8%(開口部面積あたり)の技術を導入したモジュールを製品化したい考え。
同社は当面,国内の住宅市場向けに事業を集中させるとしており,Solacis neoについては2013年末までに20MW,2014年末までに100MWの生産を,SF170-Sに関しては2013年末までに約200MW,2014年末までに400MW程度の生産を目指す。 さらに今回,それぞれのモジュールの発売に合わせ,クロスワン工法という新たな工法を取り入れた住宅用架台も発売するという。
この工法では従来の安全性や信頼性を確保しながら,屋根に取り付ける金具やモジュールを固定する機構を工夫することで,屋根への負担軽減に加え,設置時間も従来工法と比べて約40%短縮できるとしている。 国内では再生可能エネルギー法による電力買取制度や経済産業省の太陽光発電システム設置補助金などの追い風もあり,市場が拡大している。ただ,このうち,設置補助金制度が近々にも終了する予定で,その後の自立した市場成長に向けてはシステム価格の低減が求められている。
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