COVID-19の騒ぎもあって,街中のにぎわいが以前ほどはないようですが,浅草界隈や鎌倉,横浜中華街などでは主に観光用としての人力車が走っています。街の雰囲気と併せてノスタルジーを感じる乗り物です(図1)。
人力車の発明に関する正確な記録はなさそうですが,日本では江戸末期の1865(慶応1)年頃に伊勢参りの道中で,リヤカーのような形をした乗合人力車が走っていたとの記録があるそうです。江戸の界隈では許可が下りなかったようで,地方ではそんな車が走っていたのです。 因みに,海外ではそれ以前にも人力車に似た車を描いたものが見られます。例えば,16世紀の中国では手押し車に椅子を組み合わせたものが描かれ,17世紀にはオランダの作家アーノルドゥス・モンタヌス(1625-1683)が日本に関する著書の中で人力車の挿絵を使い,フランスの画家クロード・ジロー(1673-1722)が1707年に描いた絵にはパリの劇場を背にした2台の人力車が描かれています。
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