【モーターショー】小糸,次世代照明による「未来カー」を提案

東京モーターショーにおいて小糸製作所は,レーザーを光源とする照明の機能をさらに拡大した,同社が考える「2025年の自動車」のモックアップを製作し,デモを交えた展示を行なっている。

この車は完全自動運転車を想定しており,必要な安全・安心・快適な機能をレーザーを使って実現しようとするものだ。具体的には,屋根に中心となるレーザー光源のユニットを置き,ここから各機能へレーザー光を導光することで様々な機能を実現する。

最も大きな特長はその外観だ。ボディの側面全体がレーザープロジェクターによるスクリーンになっており,車内外からそれぞれ異なる情報を得ることができる。例えばウィンカーを曲がる側の全面に映し出したり,停止や発進することを表示することで,車外の歩行者や他車とコミュニケーションをし,安全性を高めることができる。もちろん,車内からはナビゲーション情報を見ることもできる。

ロービームやハイビーム,スポットランプといったメインの灯火類は,制御技術によりきめ細やかな配光が可能となっており,照らしたい場所を適切な光で照らすだけでなく,雨の日は雨粒の乱反射を防ぐことでクリアな視界を得ることができる。

乱反射を防ぐ機能についてはまだ研究段階だとしながらも「カメラと連動して配光したり,散乱を抑えることができる色を利用することを考えている」(同社技術者)としている。

光とレーザーの科学技術フェア

アラウンドスキャンライティングシステムは,RGBレーザーを照射することによって,周囲360度にある歩行者や標識などを「見やすい」色で捉えることができる。これにより視認性を高め,位置や距離などを判別しやすくする。

同社では今後,レーザーヘッドランプに続く機能的な照明としてこうした装置を開発していきたいとしている。その実現にはレーザー光源の進歩も大切な要素となるが,「レーザーの高性能化は着実に進んでおり,多くの技術が実用化できると考えている」(同社技術者)としている。