2025(R. 7)年の今年は4月13日から大阪・関西万国博覧会(以下万博)が開催されます。いろいろな話題や課題が投げかけられていましたが,開催日も間近になりました。万博の歴史を振り返ってみると常に将来の世界を先取りするような最新技術が登場してきました。メディアによる広告手段も多様化していますが数年に一度の国を挙げてのイベントでの宣伝効果は大きいです。
因みに,国際博覧会条約というものがあり,「利用可能な手段や達成された進歩,更に将来の展望を示す…」ことを目的にしています。元々がフランスのパリで開催されていた国内博覧会が欧州他国にも広がり,それが国際的な博覧会となりました。1851年に第1回ロンドン万国博覧会が開催された後も世界各地で開催される大きなイベントとして現在に至っています。そんな万博では新技術や発明に関する数多くの話題があります。以下,多くの発明を幾度も万博に出展していた発明王トーマス・エジソン(1847−1931)を中心に初期の万博での話題を追ってみました。
◆フィラデルフィア万博(1876年)
米国独立100年を記念して,独立宣言を採決した地で5月10日から開催された万博では,エジソンが1本の電線で双方向通信が可能な「四重電信装置」を展示しています。又,同じ会場ではアレクサンダー・グラハム・ベル(1847−1922)が電話機を出展していました。ベルの電話はその年の2月14日に特許を出願して3月7日に特許が成立しています。しかし実際は出願後の3月10日になってようやく完成したのです。ベルは万博会場で6月25日の1日だけ電話装置のデモを行っています。
この続きをお読みになりたい方は
読者の方はログインしてください。読者でない方はこちらのフォームから登録を行ってください。