エネルギー問題・電力問題がクローズアップされている昨今…。今頃の寒い季節にふと温泉を想い地熱には凄い熱源があるのに…と考えてしまいます。以前の本コラム第180回では洋上風力発電を取り上げましたが,今回はまだまだマイナーな地熱発電の周辺を追ってみました。
今から約46億年前に誕生した地球。半径6,370 km程の地表から凡そ3,000 kmより深くなると圧力は300万気圧を超え,温度は5,000℃位で,鉄やニッケルなどが溶けた核と呼ばれる領域になります。一方,地表から20~70 kmまでの領域は地殻と呼ばれ,核との間にはマントルと称する層があります。マントルは岩石が半分溶けた状態で地球内部をゆっくりと流れています(マントル対流)。その熱は地殻に伝わり,地殻の弱い部分からマグマが噴出し火山が生まれます。火山周辺の地下数kmから10数kmに1,000℃以上の多量の熱を放出する「マグマだまり」と呼ばれる塊ができると,周辺に高温の地熱地帯が生まれます。地熱発電はそんな熱源を利用するのです。地熱の貯留層から噴出する熱源には,熱水と蒸気が混ざった状態で噴出する「熱水卓越型」があり,タービンを回すには熱水を分離して蒸気だけを取り出す装置が必要になります。又,稀に蒸気だけが噴出すドライスチームとも呼ばれる「蒸気卓越型」もあります。
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