正月の清々しさは何故か特別に感じられるものです。昔は,凧揚げ,書き初め,かるた等々の正月らしい遊びや行事などがありましたが,そんな風習も近年はだいぶ変わってきました。例えば,“凧揚げ”はカイトになり,今ではドローンになり(?),“書き初め”はごく限られた人たちの世界となり,文字を書くにも筆ではなくキーボードを叩く書き初めになっています。又,“かるた”はトランプに代わり,更にスマホのゲームに代わってしまった感もあります。今回は昔の正月を想い,百人一首やかるたの世界に目を向けた新年の話題です。
“かるた”はポルトガル語の“Carta”から来ています。語源は手紙や紙板状のものから発したようで,次第にトランプのような札を意味するようになりました。古代エジプトやインドが起源とされる説もありましたが,現在は中国起源説が有力のようで,14世紀頃までには欧州に伝わっていたのです。そんなカードが16世紀にポルトガルから日本に伝来したのです。1セットが40枚から52枚で構成されるもので,総称してラテンスートと呼ばれ,イタリアンスートやスペインスートなどがありました(図1)。
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