文具店の筆記具コーナーを見ると溢れんばかりに様々なボールペンが並んでいます。多色芯は当然として,書き味や,消せるインク,替え芯自由…等々を見ると各社の熾烈な企画・開発競争が見えてきそうです。今回はそんなボールペンの世界を追ってみました。
ボールペンの原型を最初に発明したのは米国の銀行マンだったジョン・ラウド(1844−1916)で,1888年に特許を取得しています。その構造(図1)を見ると,円筒の先端にある金属球と複数の小さな球を円錐状の先端を持つ軸で押し付ける構造になっています。軸の押し付けが強いと球が回転できずにインクが出難くなり,緩め過ぎるとインクが漏れてしまいます。実際,この構造ではインク漏れがひどく,実用化されぬまま特許期限も切れてしまったようです。
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