罪作りなメタマテリアル

光屋であれば,「メタマテリアル」という言葉をよく目にするだろう。光のメタマテリアルとは,“光の波長よりも小さなサイズの構造体で,自然界には存在しない光特性を示す人工物”である。通常,物質の光に対する特性は,その物質を構成する原子や分子などの物性に依存する。

しかし,メタマテリアルは原子や分子よりは大きいが,光からは見えない(光の波長よりも小さな)形状の組み合わせを人工的に作ることで,通常とは異なる光応答特性を生み出す技術である。「メタ」という言葉には「超越した」という意味があるため,メタマテリアルは「超越した物質」ということを表す言葉だ。なかなかインパクトの大きなバズワードである。

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