1. はじめに
米国調査会社Tracticaによると,3Dイメージングハードウェア・ソフトウェア市場は,2014年の32億米ドルから2024年には249億米ドルへと,23%のCAGRで拡大すると予測されている。消費者・モバイルおよび自動車アプリケーションは2014年における2大市場となり,それぞれ12億米ドル,10億米ドルを構成した。ロボティクス・産業市場は26.9%と最も高い成長率を示し,2024年までに39億米ドルの規模に達する見込みである。全体として,消費者・モバイル市場は今後も23.3%のCAGRを示して引き続き3Dイメージング技術の最大市場にとどまると予測され,2024年には101億米ドル規模に達する見込みである。
同社の調査結果をまとめた調査レポート「3Dイメージングハードウェア・ソフトウェア市場」の中から一部をご紹介したい。
2. 市場の課題とトレンド
3Dイメージング技術市場は特定のアプリケーションによってけん引されている。各々のアプリケーションの特性によってエンドユーザーが3Dへの支出を受容するか否かがおのずと決まってくる。例えば,消費者向け市場ではハードウェアに対する支出は容認され易い。一方で地形マッピングの分野では地表の3D地図を生成するソフトとデータへの比重が高い。
このレポート作成の企業向けインタビューでは,3Dイメージング市場はハードウェアが主役で,ソフトウェアは二次的な市場である,という合意が得られた。ソフトウェア単独での収益機会はほとんどない,ということもわかった。
Tracticaは,3Dイメージングは異なるセグメントにわたって広がるアプリケーション別の水平市場で,中でも,自動車,消費者向け製品・モバイル,ロボティクス,産業向けが大きな柱となると捉えている。
4つの巨大産業以外でも下記の業界でそれぞれ独自の3D市場が立ち上がると見られている。
・石油ガス
現時点でそれぞれの市場規模は非常に小さく,かつ需要は断片的で統合的なソリューションは存在しないといってよい。