米国調査会社BCC Researchによると,世界のレーザー市場規模は2014年に約108億米ドルとなった。同市場は2015年に117億米ドル,2020年には160億米ドルに達し,6.5%のCAGRで拡大すると予測されている。
同社の調査結果をまとめた調査レポート「レーザーシステム,コンポーネント,および材料の世界市場」の中から一部を紹介する。
1. レーザー市場概要
レーザーは成熟した光学市場の一角をなす技術である。レーザー技術の歴史は長く,主要な種類のレーザーは既に50年前には考案されていた。ファイバーレーザーが商用化されたのはここ5年と,各種レーザーの中では比較的新しい技術で,今後も市場の拡大が期待されている。
レーザーの動作原理はどれもほぼ変わらず,技術的にも大きな発展は見られない。一方で,アプリケーション側から見ると,レーザーは様々な業界で最先端のデバイスの一部となっており,レーザーそのものが革新的な変化をけん引している例も多い。
ここ3年間,中東及び東欧における混乱,イラン核協議合意などの影響で,マクロ経済に大きな変化が生じている。米国におけるシェールバブルとその崩壊も,国際経済に大変なインパクトを与えた。
レーザー技術の包括的な特質から,その応用市場はマクロ経済によって左右される面が大きい。しかしながら,レーザー市場を全体としてとらえることは極めて困難である。各応用市場と,用いられる媒質の組み合わせで,無数のシナリオが想定されるからである。
レーザーモジュールの単価が,用途,媒質によって1ドルから数万ドルまでと大きく異なっていることからも,レーザー市場の細分性が見て取れよう。