3. 世界のタイプ別中赤外線レーザー市場
このレポートでは,レーザー光源のタイプを固体レーザー,非線形レーザー,半導体レーザー,自由電子ベースの中赤外線レーザー,気体レーザーの5種類に分類して分析を行なっている。
現在最大の収益を上げているのは,炭酸ガスレーザーという。この傾向は当面の間続き,2019年には1億万5,990米ドル規模に達すると見られている。第二位の炭酸レーザーは2019年には1億5,140万米ドルに成長する。半導体レーザーの成長が最も大きく,2014年から2019年にかけて12.4%のCAGRで拡大するとされている。
①非線形周波数変換技術を利用した中赤外線レーザー
非線形周波数は,二つのレーザー光源の混合光で,特定の分子の分光分析に適した幅広いチューニングが可能なレーザーを指す。差周波数発生は2種類のフォトンを組み合わせ,第3のフォトンを生成する非線形プロセス。差周波発生技術による同期レーザーシステムは,特に防衛,セキュリティ分野において爆発物の検知に利用されている。
このタイプのレーザーの特質として,完全にプログラマブルで,かつセンシングの解像度,速度を独立して管理できることが挙げられる。光学デバイス,検知器,ソフトウェアなどと組み合わせて分子検出システムを構成する。
北米市場が最も規模が大きく,2014年の5,120万米ドルから4.7%で成長し,2019年には6,440万米ドルに達すると予測されている。アジア太平洋地域は北米地域の5分の1弱から約3分の1弱と急速に成長し,2019年には2,180万米ドル規模に達するとされている。
②炭酸ガスレーザー
CO2レーザーはプラスチック材料,木材,ダイボードの切断といった材料加工に幅広く利用されている。CO2レーザーは10.6μmの波長は大きな吸収係数を持ち,20 Wから200 Wの出力を持つ。数kWのCO2レーザー装置は切断,溶接など金属加工に用いられ,また眼科手術,距離測定などもCO2レーザーが応用されている。
固体レーザーではなく,気体レーザーを用いる主な理由は,他の光源では到達できない特異な波長にある。もう一つの特徴は固定レーザーと比較すると,高い光学エネルギーが得られるという点。コストは必要とされる出力によって様々だが,気体レーザーの二つの特徴の代表例が炭酸ガスレーザーで,例外的な長波長と,高い出力を兼ね備えている。
エキシマレーザーは紫外線領域で高い出力が得られる。ヘリウムネオンレーザーは可視光レーザーとして利用されていが,より安価で精密なレーザーダイオードへの置き換えが進んでいる。