4.3.4 像面の収差
光の特徴の一つは2次元的な結像処理,即ち複数点を同時に処理できる能力である。球面収差とコマ収差は望遠鏡や顕微鏡のように観察対象を画面の中心に持ってきて観察するタイプの,画角の小さい結像を重視する装置で重要である。これに対し画角の大きいカメラレンズの歴史は軸外の結像性能との戦いであった。軸外収差としてコマ収差も問題となるが,像面については別な議論をしなければならない。
像面特性の描き方は第4.2.4項で説明した。種々のレンズの非点収差カーブを示したのが図42で1)d線とg線での特性が重ねて示してある。実線で描かれたsagittal(S)像面はどれも球面収差のフルコレクションのような形状をしている。点線のmeridional(M)像面はS像面よりけられが大きいため挙動が複雑で,Sと同じようだったり,逆方向に反っていたりと色々な形状をしている。
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