金属微細構造作製技術とプラズモニクス応用

5. おわりに

我々の研究室では,表面プラズモン共鳴を利用した新規光電子デバイスの創出を目的とし,電子線リソグラフィや化学合成法,レーザー光還元法を用いた金属微細構造作製技術を確立してきた。これら金属微細構造作製技術を基礎として,イメージセンサへの応用に向けたプラズモニックカラーフィルタの開発,ナノ空間光導波共鳴伝搬の実証,ポリマーベース金属超微細構造作製技術を確立してきた。

その他,表面プラズモン共鳴を利用した光検出器の高感度化10, 11),紫外プラズモン励起による蛍光増大12, 13)と生体観察応用14, 15),ポリマー薄膜材料の第二高調波発生効率の向上16)など,プラズモニクスの応用に関する共同研究を推進してきた。企業からの注目も高く,産学連携にも力を入れている。本稿が新たな共同研究や交流のきっかけとなれば幸いである。

参考文献
1) T. W. Ebbesen, H. J. Lezec, H. F. Ghaemi, T. Thio, and P. A. Wolff, Nature 391, pp. 667-689 (1998).
2) H. J. Lezec, A. Degiron, E. Devaux, R. A. Linke, L. Marin-Moreno, F.J. Garcia-Vidal, and T. W. Ebbesen, Science 297, 5582, pp. 820-822 (2002).
3) A. Miyamichi, A. Ono, H. Kamehama, K. Kagawa, K. Yasutomi, and S. Kawahito, Opt. Exp. 26, 19, pp. 25178-25187 (2018).
4) A. Miyamichi, A. Ono, H. Kamehama, K. Kagawa, K. Yasutomi, and S. Kawahito, Sensors 19, 8, pp. 1750-1759 (2019).
5) Y. Sun, Y. Yin, B. T. Mayers, T. Herricks, and Y. Xia, Chem. Mater. 14, pp. 4736-4745 (2002).
6) A. Ono, J. Kato, and S. Kawata, Phys. Rev. Lett. 95, 267407 (2005).
7) S. Kawata, A. Ono, and P. Verma, Nature Photonics 2, 438 (2008).
8) E. J. Bjerneld, K. V. G. K. Murty, J. Prikulis, and M. Kall, Chem. Phys. Chem. 3, 1, 116 (2002).
9) S. Toriyama, V. Mizeikis, and A. Ono, Appl. Phys. Exp. 12, 1, 015004 (2019).
10) A. Ono, Y. Matsuo, H. Satoh, and H. Inokawa, Appl. Phys. Lett. 99, 62105, pp. 1-3 (2011).
11) A. Ono, Y. Enomoto, Y. Matsumura, H. Satoh, and H. Inokawa, Opt. Mat. Exp. 4, 4, pp. 725-732 (2014).
12) A. Ono, M. Kikawada, R. Akimoto, W. Inami, and Y. Kawata, Opt. Exp. 21, 15, pp. 17447-17453 (2013).
13) M. Kikawada, A. Ono, W. Inami, and Y. Kawata, Appl. Phys. Lett. 104, 22, 223703 (2014).
14) M. Kikawada, A. Ono, W. Inami, and Y. Kawata, Appl. Phys. Exp. 8, 7, 072401 (2015).
15) M. Kikawada, A. Ono, W. Inami, and Y. Kawata, Anal. Chem. 88, 2, pp. 1407-1411 (2016).
16) A. Sugita, S. Kaname, K. Mochizuki, K. Kikuchi, A. Ono, W. Inami, and Y. Kawata, Phys. Rev. B 101, 4, 045303 (2020).

■Fabrication techniques for metal nanostructures and plasmonics applications
■Atushi Ono

■Associate Professor, Department of Electronics and Materials Science, Graduate School of Engineering, Shizuoka University

オノ アツシ
所属:静岡大学 大学院工学研究科 電子物質科学専攻 准教授

(月刊OPTRONICS 2021年3月号)

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