3. 終わりに
これまで我々は,高複屈折性材料の開発の一環として,構造有機化学をバックグラウンドに,硫黄系液晶性分子の合成とそれらの液晶性および複屈折性に関する研究を行ってきた。高複屈折性材料は大きな位相差を小さな膜厚で達成できる点が大きな魅力である。今後は,これら分子の光物性や粘弾性などの物性の評価,光学材料を専門とする方々とのコラボレーションなどが重要となる。本研究は東京工業大学の渡辺順次名誉教授,戸木田雅利准教授,姜聲敏助教,豊橋技術科学大学の辻秀人教授および研究室の学生諸氏と行ったものであり,諸氏に感謝いたします。
2)D. J. Broer, J. Lub, G. N. Mol, Nature, 1995, 378, 467.
3)M. G. Chee, M. H. Song, D. Kim, H. Takezoe, I. J. Chung, Jpn. J Appl. Phys., 2007, 46, L437.
4)H. R. Stapert, S. del Valle, E. J. Verstegen, B. M. van der Zande, J. Lub, S. Stallinga, Adv. Funct. Mater., 2003, 13, 732.
5)H. Yu and T. Ikeda, Adv. Mater., 2011, 23, 2149.
6)荒川優樹,小西玄一,有機合成化学協会誌, 2018, 76, 1076.
7)M. F. Vuks, Opt. Spectrosc., 1966, 20, 361.
8)Y. Arakawa, S. Kang, S. Nakajima, K. Sakajiri, Y. Cho, S. Kawauchi, J. Watanabe, G. Konishi, J. Mater. Chem. C, 2014, 1, 8094.
9)安藤慎治,光学, 2015, 44, 298.
10)Y. Arakawa, S. Inui, H. Tsuji, Liq. Cryst., 2018, 45, 811.
11)Y. Arakawa, Y. Sasaki, K. Igawa, Hideto Tsuji, New J. Chem., 2017, 41, 6514.
12)Y, Arakawa, Y. Sasaki, N. Haraguchi, S. Itsuno, H. Tsuji, Liq. Cryst., 2018, 45, 821.
13)Y. Arakawa, S. Kang, H. Tsuji, J. Watanabe, G. Konishi, RSC Adv., 2016, 6, 16568.
14)フッ素化学入門2010基礎と応用の最前線,独立行政法人 日本学術振興会・フッ素化学第155委員会編(三共出版).
15)Y. Arakawa, S. Kang, H. Tsuji, Junji Watanabe, G. Konishi, RSC Adv., 2016, 6, 92845.
■Assistant Professor, Department of Environmental and Life Sciences, Graduate School of Engineering, Toyohashi University of Technology
所属:豊橋技術科学大学 環境・生命工学系 助教
(月刊OPTRONICS 2018年12月号)
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