超解像多光子顕微鏡

1. はじめに

超解像顕微鏡1〜3)や多光子顕微鏡4, 5)を含む様々な蛍光顕微鏡が開発され,生命現象解明のための重要な技術になっている。しかし,空間分解能,観察可能な深さ,時間分解能,視野の広さがトレードオフの関係にあるため,脳組織などの生体組織深部のイメージングにおいて,イメージング性能が足りていない。例えば,超解像顕微鏡は回折限界を超えた空間分解能を達成できるが,試料の表面近傍しか観察できない。この理由は,微弱な信号光が背景光に埋もれやすいためである。

一方,多光子顕微鏡は生体組織の深部観察に有用であるが,励起波長が長いために空間分解能は共焦点顕微鏡よりも低い。また,レーザー走査型の顕微鏡では,広い視野を高解像度で観察しようとすると,レーザー走査時間が長くなるため,時間分解能が低下する。そのため,1細胞の個性を測定できる空間分解能と,多細胞による複雑な生命現象を可視化するための広い視野を,同時に実現することは困難である。

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