ソニー,モバイル用広DR CMOSイメージャーを発売

ソニーセミコンダクタソリューションズ(SSS)は,低照度時のノイズを大幅に抑え,広いダイナミックレンジを有する有効約5,000万画素CMOSイメージセンサー「LYT-818」を9月に商品化したと発表した(ニュースリリース)。

この製品は,低ノイズとHDR機能により高画質撮像に貢献する,主にスマートフォンのメインカメラおよびサブカメラに向けた1/1.28型の製品となっている。

低照度時のランダムノイズを大幅に低減し,鮮明な被写体撮像を可能にするUHCG(Ultra High Conversion Gain)は,電荷から電圧への高い変換効率を実現する回路技術で,暗い環境下での撮影時に発生するランダムノイズによるざらつきを低減し,同社製モバイル用CMOSイメージセンサーにおいて最高となるRN(ランダムノイズ)0.95e-の性能を実現した。これにより,暗所撮影時の再現性を改善し,センサーが持つ色の階調表現の能力が向上するとしている。

新方式のHDR機能の搭載により,86dBとなるダイナミックレンジ性能を実現し,逆光のような明暗差の大きなシーンにおいて発生しやすい白飛びや黒つぶれを抑え,肉眼で見ているものに近い撮像を可能にするという。

また,動く被写体を撮影する際,被写体の動きが残像のように写ることがあるが,このHDRは,一度の露光で撮影した画像に対して3種類のゲイン設定で読み出しを行ない,それらのデータを合成することで,アーティファクト(動体ゴースト)の発生を抑えるとしている。

一般的に,スマートフォン画面上でHDRのプレビュー映像を表示すると,消費電力が増加し,スマートフォンの本体が熱を持ってしまうなどの懸念が想定されるため,プレビュー映像ではHDR表示をしない場合がある。

この製品は,ロジック回路を中心に低消費電力化を図ることで,HDR機能を常時使用することを可能にしたという。これにより,スマートフォンのプレビュー画面で見る映像と同等の映像を記録することができるとしている。

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