AGCは,太陽光パネルのカバーガラスを原料としたフロート板ガラス製造の実証試験に,日本で初めて成功した(ニュースリリース)。
太陽光パネルは耐用年数が20~30年とされ,2030年代後半より年間数十万トンが廃棄される見込みとなっている。このうちカバーガラスは重量全体の約6割を占めており,産業廃棄物として埋め立て処理されることによる深刻な環境負荷が懸念されている。
カバーガラスにはガラスの透過率を高める成分が含まれ,これによりフロート板ガラスへのリサイクルは困難とされてきた。
今回の試験の成功を受けて,生産量の多いフロート板ガラスが,廃棄カバーガラスの水平リサイクルの受け皿となることが期待される。リサイクルの推進により,珪砂やソーダ灰など天然資源由来原料の節減,製造工程におけるGHG排出量削減につながるとしている。
今回使用したカバーガラス約5トンは,トクヤマの低温熱分解技術を用いて精製・供給されたという。