ソニー,没入型空間コンテンツ制作システムを開発

ソニーは,高画質の4K OLEDマイクロディスプレービデオシースルー機能を搭載したXRヘッドマウントディスプレーと,3Dオブジェクトの精密な操作に最適化したコントローラーを備え,空間コンテンツ制作における高度なクリエイティブ作業に対応する没入型空間コンテンツ制作システムを開発した(ニュースリリース)。

この製品は,片眼4K,両眼8Kの高解像度を持ちDCI-P3を最大96%カバーする,大型の1.3型OLEDマイクロディスプレーを搭載。3Dオブジェクトの質感や色を精細かつ忠実な色再現で表示することができ,クリエイターがヘッドマウントディスプレーを装着したまま,モデリングから質感や色の確認までの工程を行なうことを可能にするという。

また,レンダリングの負荷をPCとヘッドマウントディスプレーで分散するスプリットレンダリングに対応し,3D制作ソフトウェアで扱うデータサイズの大きい3Dモデルを,高精細で安定的に描画することができるとしている。

米Qualcomm Technologies, Inc.との協業により,同社製の最新XRプロセッサーであるSnapdragon XR2+ Gen 2をいち早く採用。4K OLEDマイクロディスプレーの性能を最大限に引き出し,リアリティのあるXR体験を実現するとともに,プロセッサーに搭載されたAIによりユーザーの動きや周囲の空間を認識し,現実と仮想空間を融合したクリエイティブな制作環境を提供するとしている。

さらに,合計6つのカメラおよびセンサーによるビデオシースルーおよび空間認識機能に加え,仮想空間のオブジェクトを直感的に操作できるリング型コントローラーと,空間点指定に最適な形状とモデリング作業時に効率的なボタン配置を追求し,安定して正確なポインティングを可能にする,ポインティングコントローラーが付属する。

利き手でポインティングコントローラーを持ち,反対側の手の指にリング型コントローラーを装着することで,ヘッドマウントディスプレーを装着したまま,左右のコントローラーに加えてキーボードを併用して制作,編集作業を行なうことが可能だという。

また,デバイスの重心バランスの調整や,頭部に直接触れるパッド部分の素材や形状の最適化により,長時間の制作作業でも快適な装着性を実現している。加えて,前面のディスプレー部分のフリップアップ機構によって,ヘッドマウントディスプレー全体の着脱による各種調整の手間を最小限に抑え,現実と仮想空間を簡単かつシームレスに行き来することができるとしている。さらに,エンタテインメント領域や工業デザインを含む,様々な3D制作ソフトウェアへ対応予定だという。

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