IOWN Global Forum(IOWN GF)は,日本電信電話(NTT)を通じ,国際連合傘下の標準化機関ITU-Tが主催したCxO Roundtable(2023年12月5日開催)において,IOWNの国際接続性の担保や,途上国も含めた世界展開に向けた公的標準策定の重要性を提案した(ニュースリリース)。
情報通信分野のサービスが成り立つためには構成機器が相互に接続され,端末とネットワークやネットワーク事業者間のインタフェースの取り決めが不可欠となっている。そこで国内外の通信サービスを提供することを目的に国際標準化が進められている。
国際標準化においては,先端技術分野において複数の企業などが集まって行なわれるフォーラム標準化(フォーラム/デファクト)と,ITUやIEC,ISOなどで行なわれる公的な強制力を持つ公的標準化(デジュール)がある。IOWN構想の実現・普及に向けては,NTT,インテルコーポレーション,ソニーグループ株式会社の3社が設立したIOWN GFで,フォーラム標準化活動を進めてきた。
ITU-T局長が主催するCxO Roundtableが12月5日にアラブ首長国連邦ドバイで開催された。この会議は,情報通信業界のハイレベル幹部(CxO)やITU-Tの幹部が一堂に集い,業界が今後優先して検討すべき課題や,それらの課題に関する標準化活動について今後の方向性や主要な行動分野を示すことを目的としている。
IOWN GFの代表としてNTTより,IOWNがもたらすサステナブルな世界の実現に向けた国際接続性の担保や,途上国も含めた世界展開に向けた公的標準策定の重要性を提案した。この会議に参加した世界各国のキャリア,ベンダ,公的機関等のハイレベル幹部から,IOWNがもたらす価値やその重要性について賛意が示され,IOWN技術仕様の公的標準策定を推進することが合意された。また,IOWN検討の業界団体であるIOWN GFとITU-Tとの連携を強化することも合意された。
IOWN GFは,今回の成果を踏まえ,公的標準化と親和性の高い国際相互接続に関する技術仕様などについて,ITU-Tにて標準化活動を進めていく予定だとしている。