光技術総合展示会「光とレーザーの科学技術フェア2023」(11月7日~9日 パシフィコ横浜)において,オキサイド(可視化・次世代レーザー応用ゾーン V-11)は,量子もつれ光子対光源を展示している。
量子もつれ光は量子暗号通信や量子インターネット,量子イメージングなど次世代の光技術に欠かせないキーデバイスだが,その研究において光学定盤などに光学系を組んで作製すると,アライメントの狂いなどから都度調整が必要になるなど,手間と時間がかかる。
同社は光学結晶の製造技術とそこに光を適切に入れるノウハウを持ち合わせており,これをSPDC(Spontaneous Parametric Downconversion)による量子もつれ光子対光源としてデバイス化した。
具体的には三角形の光路(Sagnac type)を持つ干渉計により,種光源からのレーザーを光学結晶QPM(PPKTP/PPMgSLT)に入射し,Signal光とIdler光とに分かれた量子もつれ光を生成する。この構造による量子もつれ光は,S/N比と強度に優れるという。
デバイス化したことで安定して量子もつれ光を生成できるほか,各種波長にも対応する。波長組み合わせ例として,405nm→810nm+810nm,775nm→1550nm+1550nm,436nm→606nm+1550nmなどがある。
販売先としては大学等の研究室が多く,研究毎にカスタマイズに応じているという。