古河電工ら,標準径ファイバで帯域幅115.2THz伝送

古河電気工業,KDDI,KDDI総合研究所,住友電気工業,米OFS Laboratoriesは,標準光ファイバ径の光ファイバ伝送実験では世界最大となる伝送帯域幅115.2THzの超広帯域伝送実験に成功した(ニュースリリース)。

光ファイバ1本あたりの通信容量は,一般的に光の波長をわずかに変えて多重伝送する波長分割多重方式により,大容量化できる。

O帯は,C帯に比べて波長分散の影響が小さいため,波長分散を補償するための信号処理負荷を軽減できるという特長があるが,非線形光学効果により光信号の品質が劣化しやすいため,光ファイバ通信システムを大容量化するには不向きとされてきた。

KDDI総合研究所は,光信号の送信パワーを最適化することで非線形光学効果を抑圧し,大容量伝送を可能にするO帯コヒーレントDWDM伝送技術を開発した。

光ファイバ通信の大容量化には,より多くの光信号を波長多重することが有効だが,そのためにはより広い波長帯域を増幅する光ファイバ増幅器が求められる。

古河電工とOFSが開発したBDFAは,C帯とL帯を合わせた帯域よりも広いO帯全域にわたって光信号を増幅することが可能。この実験では,O帯のうち9.6THzにわたってコヒーレントDWDM信号を増幅したことにより,C+L帯に匹敵する超広帯域を実現できることを示した。

さらに,1本の光ファイバの中に複数のコアを配置するマルチコア光ファイバを適用すれば,光ファイバ1本あたりの通信容量をコア数の分だけ拡大できる。

住友電工は,C帯に比べてO帯の光信号がコアにより強く閉じ込められることに着目し,標準的な光ファイバの外径である250μmの中に独立した12個のコアを高密度に集積配置した非結合12コア光ファイバを開発した。

これらの3つの技術を組み合わせることで,光ファイバ1本あたりの利用可能な帯域の合計を115.2THzまで拡張できることを示し,その一例として484Tb/s大容量伝送実験に成功した。これは,複数の波長帯域を組み合わせていない,単一の波長帯域の実証実験としては世界最大の帯域幅と通信容量となるという。

研究グループは,超広帯域O帯コヒーレントDWDM伝送システムの実用化に向けて,送受信機や光ファイバ増幅器,ならびにデジタル信号処理アルゴリズムの研究開発を進めていくとしている。

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