凸版印刷,量子で肉眼で判別できない不良を検知

凸版印刷は,量子カーネル法カーネルトリックと呼ばれる古典カーネル法と比べて、量子回路で作成された量子カーネル法の方が、複雑な特徴空間を表現できる特徴を持ちを活用し,肉眼で判別できない不良検知法を開発したと発表した(ニュースリリース)。

近年,高い演算処理能力と高セキュリティ性を有する次世代のコンピュータとして,量子コンピュータへの期待が高まっている。現在,より高性能な量子コンピュータの実現を目指して,超電導方式,イオントラップ方式,光量子方式など,様々なタイプのハードウエアの研究・開発が進められている。

特に,光量子方式は演算機能だけでなく,量子データの送受信に関わる通信に活用されるため,重要な技術の一つとなっている。

昨今では,量子コンピュータの実用化に向けた開発も加速しており,同社は量子カーネル法を活用し,長野県のリンゴ農家と同社次世代DX開発拠点「ICT KŌBŌ 飯綱」とで連携し,リンゴの品質を非破壊で判別する方法を開発した。

具体的には,肉眼で判別できない対象物を量子カーネル法による分類に関し,リンゴを2つに分割しないと判断できない内部ツル割れ不良を検知することのトライアルを実施。その結果,リンゴの品質を非破壊で判別することが可能なことが示唆された。

また,量子コンピュータ向けのソフトウエア開発のblueqatと連携して光量子方式の量子コンピュータに向けた取り組みで,誤り訂正に必要なGKP状態の生成に新しい計算手法を盛り込む提案を行なった。この計算手法を用いることで,光量子計算における誤り訂正に応用可能な,新たな回路最適化手法を開発した。

同社は,量子コンピュータの時代に先んじ,光量子方式の量子コンピュータの高速演算機能だけでなく,量子データの送受信に不可欠な光量子通信に関する研究,および社会課題解決に向けた量子機械学習の技術開発に取むとしている。

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