北大,化学反応創成プラットフォームを開発

北海道大学は,化学反応経路の幅広い活用と社会への普及を目途に,人工力誘起反応法(AFIR法)から生み出された化学反応経路データを,ソフト等を一切インストールすることなく,ウェブ上でクリックのみで検索,可視化,探索,設計を実現するプラットフォーム「SCAN」を開発した(ニュースリリース)。

化学反応の発見は研究者の経験・試行錯誤に大きく依存してきた背景がある。そのような中,化学反応経路探索法の一つであるAFIR法は,量子化学計算に基づき,化学反応経路を網羅的な探索を可能とした計算方法。

しかし得られた化学反応経路はとても複雑で,解析には高度な専門知識と高度なプログラミング技術を必要としていた。また,計算された化学反応経路データを蓄積・共有するデータセンターが存在しないことも,幅広いデータ活用への大きな障壁だった。そのため,産業界や研究機関において幅広く利用するためのプラットフォームが必要とされていた。

そこで研究グループは,新たに,生データを保存する「データレイク」,データ前処理した「データハウス」,データを応用・展開する「データマート」の3層構造からなる反応経路データベースのプラットフォーム「SCAN」を設計した。

「SCAN」ではAFIR法によって生成された14の化学反応経路データが搭載され,化学反応経路データを検索・可視化することが可能になる。

また,高度なインフォマティクス手法もプログラミングを一切必要とせず,データ検索,可視化,データ解析をマウスのクリックのみで実行することを可能とした。

そのため,「SCAN」を用いることにより,複雑な化学反応経路データを誰もが容易に解析できるようになった。今後化学反応経路データは増えていく予定だという。

本プラットフォームはオープンソースであり、github(https://github.com/scan-team)で無償公開している。産業界や研究機関において幅広く自由に活用することができるため,今後の化学反応創成に大きく寄与することが期待されるとしている。

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