NTTデータは,フィルム型ペロブスカイト太陽電池を建物外壁に設置した実証実験を積水化学工業と共同で2023年4月から開始する(ニュースリリース)。建物の外壁面に設置した実証実験としては日本初の事例だとする。
脱炭素に向けては,エネルギーの地産地消による送電負荷削減のためオンサイトでの再エネの導入は重要になるが,従来型の太陽電池は都心部では屋上や敷地内に設置場所の確保が難しい,設置荷重が大きく既存建物の設計荷重を超過するといった導入における課題がある。
このため,都心での再エネ活用には郊外に設置した太陽光パネルからオフサイトPPAや自己託送制度を活用して送電する必要があり,コスト面や送電負荷によるロスに課題があるとされていた。そこで今回,軽量で設置場所への制約が少ない次世代型発電池であるペロブスカイト太陽電池を採用し,外壁面への設置手法や発電効率について検証を行なう。
実証では,まず外壁への設置時の課題抽出を目的として,積水化学工業の開発研究所外壁に小面積を設置し風圧力含めた構造安全性を確保した設置方法を確認する。その後,2024年4月ごろからNTT品川TWINSデータ棟の外壁に設置し,都心部での発電効率も含めて,実用性を検証する。
安全性や発電効率を高める設置方法を実証することで,今後全国にある当社16棟のデータセンターおよびオフィスへの導入拡大,さらには2030年度の自社データセンターのカーボンニュートラル化をめざすとしている。