東大ら,人工光合成コンペで1位に

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「二酸化炭素原料化基幹化学品製造プロセス技術開発」事業の成果を利用し,人工光合成化学プロセス技術研究組合(ARPChem)の支援の下,東京大学とINPEXは,人工光合成の国際的なコンペティション「Fuel from the Sun:Artificial Photosynthesis」に出場,12月5日に行なわれた表彰式で結果が発表され,全22チーム中1位となり,5百万ユーロを獲得した(ニュースリリース)。

NEDOが2014年度~2021年度に実施した「二酸化炭素原料化基幹化学品製造プロセス技術開発」において,ARPChemは,太陽光エネルギーを利用して光触媒によって水からソーラー水素を製造する技術開発に取り組み,東京大学らと共同で,昨年度は屋外において100m2の光触媒パネルによる水素製造実証に成功している。

今回東京大学とINPEXは,この事業で得た成果とメタン合成技術を組み合わせ,ARPChemの支援の下,欧州連合(EU)の機関である欧州イノベーション会議(EIC)主催の人工光合成の国際的なコンペティション「Fuel from the Sun:Artificial Photosynthesis」に出場した。

コンペティションは,7月4日~7日にイタリア・ロンバルディア州のイスプラにおいて行なわれ,22チームから予選を通過した3チームが人工光合成のプロトタイプ装置を屋外で3日間運転した。

このコンペティションでは,人工光合成技術により実用的な燃料合成を行なう機能的なプロトタイプ装置を構築する技術力を競った。東京大学は,事業の成果を活用して水素を製造し,得られた水素と二酸化炭素(主催者供給)をメタンに変換する装置をINPEXと共に構築し,メタン燃料を製造した。

そして,12月5日の表彰式でその結果が発表され,このチームが第1位となり,賞金として5百万ユーロを獲得した。研究グループは今回の成果について,これまでNEDO事業で培った水素製造技術と,INPEXが推進しているメタン合成技術を組み合わせることで実現したものだとしている。

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