日本電気通信システムは,3Dセンサを活用し電線・電柱などの設備点検をサポートする「NEC 3次元測量支援ソフトウェア」の販売を開始した(ニュースリリース)。販売価格は200万円~(税別 機材,導入,保守費用は含まず)。
電力や鉄道業界では,国や社内の規定に従い,定期的に点検・計測作業を実施するが,このソフトウェアにより従来の高所作業車などを使用して設備の間近で実施していた点検・計測作業を,離れた場所の地上から実施することが可能となり,これまでの検証では,作業時間が85%効率化される効果を得られているという。点検作業時に車や歩行者の通行止めや通行制限をすることなく作業を実施できるため,警備員などの作業者の人数を削減することが可能となる。
また,3Dセンサで撮影した画像上で計測したい2点の対象物を選択するだけで,2点間の距離を計測することが可能で,水平・鉛直方向上の距離計測や,直線間の最短離隔距離計測,角度計測など,様々なシチュエーションに対応できる計測機能を提供するという。
さらに,撮影した3次元点群データ上に,円柱・立方体・線・球体などのオブジェクトを生成することができるため,設備の新設や移設する場合の設計時にオブジェクトを生成し,既存設備との距離計測などシミュレーションを行なうことが可能。
3Dセンサとタブレット端末といった持ち運びしやすい機材を使用して計測作業を行なうことができ,タブレット端末の画面で3次元点群データを確認しながら簡単な操作で計測作業を実施できる。撮影した3次元点群データを保存すれば,現場を再訪せずに再計測することなどが可能になるとしている。
このソフトウェアは,今後,計測対象物の検出・自動計測,CADシステムとの連携などの機能拡張と対応する3Dセンサ機種の増加を予定しているという。