浜松ホトニクスは,科学計測用デジタルカメラや病理デジタルスライドスキャナ,半導体故障解析装置などの画像計測機器の売上拡大に対応するため,常光製作所(浜松市東区常光町)に建設していた新棟が完成し,7月7日に竣工式を行なった。8月より稼働を開始する(ニュースリリース)。
同社によると現在,科学計測用デジタルカメラや病理デジタルスライドスキャナ,半導体故障解析装置の需要拡大が続いており,今後も売り上げが増加すると見込まれるとして,新棟建設により画像計測機器の生産能力を従来の1.7倍まで増強する。
新棟では,科学計測用デジタルカメラと病理デジタルスライドスキャナの組み立てや調整などの生産機能を集約し,スペースを拡張することで需要拡大に対応する。また,段差のない渡り廊下で既存棟と接続し,人や物の移動を効率化することで生産性の向上を図る。
さらに,新棟の部屋内部の柱をなくすとともに電源や空調などの配置を工夫し,レイアウトの自由度を高めることで,生産量や生産品目の変化に対応しやすい設計とした。また,集約により発生する既存棟の空きスペースを利用し,半導体メモリ市場の回復により売り上げが増加している半導体故障解析装置の生産を拡大する。
新棟では,浸水対策として防水シャッターや防水板を設置し非常用発電機や受変電設備を屋上に配置するとともに,耐震天井を採用することで災害対策を強化しているという。新棟の概要は以下の通り。
建築構造:鉄骨造 地上5階
建物面積:建築面積1245.70m2,延床面積5545.92m2
総 工 費:約22億円
収容人員:約120名
生産品目:科学計測用デジタルカメラ,病理デジタルスライドスキャナ
生産能力:約130億円(売上高換算)