島津,原子吸光分光光度計を発売

島津製作所は,原子吸光分光光度計「AA-7800シリーズ」の国内外での販売を開始した(ニュースリリース)。価格は392万円~(税別)

原子吸光分光光度計(AA)は,原子は元素ごとに固有の波長の光を吸収し,元素の濃度が高いほど光の吸収量が増えるという性質を利用した分析装置。試料に含まれる元素ごとの量がわかり,食品や素材,化学などの分野における品質管理,水質や土壌に含まれる有害物質の検査などに使用されているという。

同社は1968年以来,半世紀にわたりAAを販売。この製品は,オートサンプラ(試料を装置本体に注入する機構)などを追加してシステムを柔軟に構成することが可能で,多様な装置構成により,測定する検体数,測定したい元素の濃度など様々な分析条件,用途,分野のニーズに対応するとしている。

また,AAでは,原子化の際にフレーム(炎)を使用するフレーム測定を行なうため,安全への配慮が欠かせないが,この製品は,地震時のフレーム(炎)自動消火など安全に配慮した機能を多数搭載。初心者でも使いやすいガス流量,バーナ高さといった測定条件を自動的に最適化する機能を備えている。

さらに,フレーム測定/ファーネス測定(原子化の際に電気加熱炉を使用する測定方式)を切り替えられるデュアルシステムとして世界最小の設置面積を実現し,設置場所の自由度を高めている。また,分析データシステム「LabSolutions CS」に接続することでラボから離れた場所でもデータ処理が可能となるとしている。

同社はこれまで,主要なグローバル製品やその基幹部品はすべて国内の工場で生産していたが,このシリーズは,島津儀器(蘇州)有限公司(中国/蘇州)で生産し,全世界に向けて販売。AAの最大市場である中国で生産することで,地産地消のものづくりを推進し,中国をはじめグローバルでのシェア拡大を目指していくという。

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