香川大,電気で色が変わる液晶薄膜を開発

香川大学の研究グループは,ナトリウムイオンと選択的に錯形成するアザクラウンエーテル環をペリレンビスイミドに導入することにより,ナトリウム塩やリチウム塩と選択的に錯形成し,電解質溶液中でエレクトロクロミズムを示す液晶性薄膜を開発した(ニュースリリース)。

研究グループは,n-型有機半導体であるペリレンビスイミドにシクロテトラシロキサン環を導入したナノ相分離型液晶性半導体を開発し,溶液プロセスにより薄膜化が可能であること,薄膜状態で酸蒸気に曝露することにより,薄膜の重合・不溶化が可能であることを見出している。

今回の研究では,ペリレンビスイミドに,重合部位であるシクロテトラシロキサン環に加え,イオン伝導部位として1-アザ-15-クラウン-5-エーテルを導入した液晶化合物を合成した。1-アザ-15-クラウン-5-エーテルはナトリウムイオンと選択的に錯体を形成する。

この化合物は互いに溶け合わないアザクラウン環,ペリレンビスイミド,および,シクロテトラシロキサン環がナノメータースケールで相分離することにより,液晶性カラム構造を室温で形成する。ナトリウムイオンやリチウムイオンと1:1錯体を形成し,ストライプ状のナノ構造をもつ薄膜をスピンコート法により作製できる。カリウムイオンとは1:1錯体を形成しないという。

エレクトロクロミック材料などの電気化学機能材料は電解質溶液に浸して使用するため,薄膜化の不溶化が不可欠となる。この液晶化合物では,スピンコート膜をトリフルオロメタンスルホン酸蒸気に曝露することにより,薄膜の重合不溶化が可能。

不溶化された薄膜はリチウムトリフラートやナトリウムトリフラート溶液中でエレクトロクロミズムを示す。リチウムイオンやナトリウムイオンが伝導する経路がアザクラウン環によって形成されているため,安定した応答が可能。研究グループは,将来的にはイオン選択的に応答する素子も可能になるとしている。

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